産業用ドローン事業 |
開発者コラム |
ロボットがどんどん高機能化し、人間の仕事を奪ってしまったら社会はどうなりますか?
大学1年生だった40年前、「無人化工場」という講義の終わりにこんな質問をしました。
ロボットは、多くの要素技術を組み合わせる統合技術の成果です。今日、産業用ロボットは世界中の工場で活躍しており、日本メーカーのシェアは約50%です。これらのロボットは、作業者を単純労働や危険な作業、また劣悪な作業環境から解放してきました。仕事を奪ってきたのではありません。生産性の劇的な向上に貢献してきたのです。
数年前から「次世代ロボット」が注目を集めています。
次世代ロボットとは、「人に代わって、人と協働しながら、人に便益(ベネフィット) を提供するシステム」、技術的には「センサー」「知能・制御系」「駆動系」の3つの要素技術を組み合わせたもの、と定義されています。産業用ロボットは、必ず柵の中で人とは完全に隔離された環境で使用されてきましたが、次世代ロボットには、この「柵」が在りません。
そんなロボット製作に欠かせないコンピューターやセンサー、モーターなどの構成要素が近年、高性能化し、小型で安価になり、中小企業であっても、必要とされる機能を実現する要素を適切に組み合わせることでロボットをつくれるようになってきています。当社はここに着目。「自分たちが開発したロボットが、人の役に立ち、喜んでいただけたら、素晴らしい」と、これまで、幾つかのロボット開発事業に参画してきました。
そのひとつが、脳神経外科病院の出入り口で患者さんを見守るロボットです。このロボットは夜間、センサーを活用して前を通る(徘徊する)人がいると「お部屋に帰ろうね」と声を掛けます。でも、患者さんは声掛けだけでは自室に帰ってくれません。声掛けと同時に職員に知らせます。そして、職員が患者さんを保護し、部屋まで送り届けるのです。
時間を問わず見守るのはロボット、患者さんを保護し部屋に確実に送り届けるのは人間です。
ロボットと人の、得手不得手に配慮した運用システムを根底においた開発でした。
開発の歩み
【採択助成金】 ・令和6年度 壁面吸着親子ドローンを大阪万博にMOBIOから出展決定 ・令和5年度 小規模事業者持続化補助金<一般形>第14回 ・令和5年度(第2回)新事業展開テイクオフ支援事業 ・令和1~2年 近畿経済産業局資源エネルギー環境部 「HyDroneプロジェクトにおける燃料電池システムを用いた 検査用途ドローンの研究開発」に参画 ・ 平成31年度 堺市ものづくり新事業チャレンジ支援補助金 ・ 平成26年度 新都市社会技術融合創造研究会プロジェクト ・ 平成24年度 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金 ・ 池田泉州銀行 平成23年度 第8回「コンソーシアム研究開発助成金」 ・ 平成21年 ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業) |
【共同研究】 ・ 国立大学法人徳島大学 准教授 三輪昌史 先生 ・ 神戸市立工業高等専門学校 准教授 清水俊彦 先生 |